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序文:
元素の周期律表と資源・物質循環とエネルギー
前にも少し述べてみたが、宇宙・地球・海・われわれの体の元素組成は、微妙に差違はあるが、かなり似通ったところもあるようである(大量出血時に、輸血が間に合わないとき、体液に似せた生理的食塩水(ナトリウムイオン濃度約
0.9%)を使うが、海の組成に近い。)。元素の組み合わせだけで、万物の起源を論ずるわけにはいかないとは思う。しかし、元素の周期律表を眺めながら、今一度、資源の成り立ちや、生物の由来、資源循環および物質循環のことを考えてみるのも、悪くはないだろうと思われる。ロシアのメンデレーエフが、いろいろな金属・半金属・非金属元素の化学的性質には、一定の規則性があるという元素の周期律を発見し、順序良く並べる周期律表を提案したのは、わずか約150年前のことである。これまでも、銅、鉄、金、銀などの金属元素をはじめとして、主立った元素は、知られていたが、人工元素も含めて、第7周期までのすべての元素が発見されたのも、わずかに約5年前である(2010年2月ドイツの重イオン研究所で
112番目の新元素が発見され、コペルニシウム(Cn)と命名され、2018年に は、日本の理化学研究所で、113番元素が発見され、ニホニウム(Nh)と命名された。その後、119番および120番元素の探索も、続いているようである(化工誌2024年12月号855ページ)。これらの元素の組み合わせから、多くの資源が成り立っている。化石資源、鉱物資源、および岩石資源の非再生産資源も、生物資源、水資源あるいは大気資源などの再生産資源も、有限であり、地殻近傍に局在した一定の存在量があり、打ち出の小槌のように、いくらでも取り出せるわけではない事を、今一度考えた方が良いだろうと思われる。地球の資源は、地殻といういわばリンゴの皮ほどのところに局在するものである。非再生産資源は、枯渇性資源であり、文明の基礎を支える Li、Pd、Ndなどの各種の希有金属も、資源的には、それほど多くはない。魚類、木材、穀物などの再生産資源も、成長の範囲内での利用に配慮しないと、あっという間に枯渇しかねない(一時全く姿を消したハタハタ、ニシンの魚影が、久しぶりにみられたという朗報もあるが、資源的には、捕獲を控えて、成長を待ったためであろう。
地球に豊富に存在するケイ素(Si)などの元素から成り立っている資源や、例え豊富ではなくても循環性に優れた資源は、枯渇するまでに時間がかかり、安定供給性に優れたものと考えることができる。たとえば、建築・土木分野、鉄道・船舶分野および自動車・航空分野での基幹構造材料の一つである鉄鋼は、一番安定した元素である鉄(Fe)を主体とし、炭素(C)を含むことで硬さを得、銅(Cu)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)などを合金元素として含むことで、粘り特性、耐食性などの性能および機能性向上が図られる。また、水和したコンクリートは、主元素であるケイ素(Si)やカルシウム(Ca)の他に、アルミニウム(Al)、鉄(Fe)、酸素(O)、水素(H)、硫黄(S)などから成り立つ。再生産資源の代表とされる木は、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)から成り立つ。また、動・植物の死骸が炭化した石油・石炭の化石資源は、硫黄(S)を一部不純物として含むものの、炭素(C)と水素(H)からなる炭化水素(-(CH)n -)である。 (最近、地球温暖化対策のために、低炭素化、脱炭素化などの用語が氾濫している。木材などは、炭素を主元素として成り立つし、食料の一つの炭水化物も、炭素元素を必須元素とする。炭素元素をうまく使わないと成り立たないことも多い。カーボン・ニュートラルやカーボン・リサイクルはいいとしても、脱化石資源あるいは炭素循環という正しい使い方に改めるべきと思われる。日本化学会の会長さんも、その機関誌の巻頭言で、その旨、述べておられるようである(化工誌2022年9月号667ページ)。
もともと、地球に降り注ぐ太陽エネルギーをもとにして、地圏・水圏・大気圏および生物圏での水、炭素、窒素等の元素・物質の循環が起こる。(福島敏夫執筆原稿;建築協会原稿;出典:特集「(建築とエコ技術)「リサイクルとエコマテリアルの技術開発と評価ー建築材料の視点からー」、建築と社会(2010年2月号)、日本建築協会、(2010)pp.16-19、
2010002recycleandecomaterials.pdf
建築における太陽光の利用と断熱技術併用方式も、カーボン・ニュートラルおよびカーボン・リサイクルに有用ではないかとも考えられる。
(リンク集の欄にあるアイデア・コンペのPDFファイル参照
ideacompe2022.pdf
我々は、化石資源ばかりでなく、生物資源も含めて、生きている限り、より良い暮らしを求めて、地球(あるいは宇宙からも)の資源とエネルギーを消費しながら生活する。また、我々の人体そのものも、その主要な元素組成は、宇宙および海の組成と類似しているという。そういう状況を考えるとき、元素の周期律表と約46億年という気の遠くなる様な過程を経て形成された地球の元素組成とそれに関わる資源の状況に、今一度思いをはせてみるのも、重要であるし、必要ではないかと考えられる。資源・エネルギー問題は、人類誕生以来続く大きな問題の一つであり、戦争や争いの源にもなってきたようだ。うまい解決策を図るべく、人類の英知が問われているようでもある。
自由短歌
春の風自然哲学顧みて現代世界を眺め見る
令和5年3月8日
令和6年1月9日脱稿
令和6年2月9日再脱稿
令和6年12月13日再々脱稿
福島敏夫随筆集「乙戸南雑話【花鳥風月及び星・虹を愛でながら】」から
主宰論説24 元素・物質循環(その2)
地球での元素・物質循環は、地圏、水圏、大気圏、生物圏それぞれの圏の内部だけでなく、その界面および異圏を相互に相乗りする形で起こるようである。地球環境問題を考える際に、このことを過不足なく考える必要があるようである。水、炭素、窒素およびそれらの化合物の物質循環においてもしかりのようである。また、物質循環の源である移動現象及び輸送現象においても、物質とエネルギーの動的な同時移動を考えることが、学術的には正しいとされている。これまで、物質の拡散、熱移動も、独立的に論じられてきたし、それで、かなりのところは、解明可能とされる。劣化現象の可視化でも、これまで、化学反応を伴う物質の拡散の連立偏微分方程式を解くことで、かなりうまくいった。だが、精緻化と実効性向上のためには、物質・熱同時移動で考える必要も多いようだ。大気圏や水圏内部の非定常の温度や含水率分布を予測するためには、水の移動に伴う熱の変化、熱の移動に伴う湿気の変化を、過不足なく取り入れることが必要であるとされる。地球の地圏・水圏・大気圏・生物圏での窒素や二酸化炭素の物質循環でも、この手法が有力視されているようだ。取り扱いがやや複雑になるし、そこまでやらなくても、地球平均温度の経年変化で、かなりの程度気候変動の予測も可能とされているようだ。だが、単一の考え方や尺度だけで論ずるのは、いかがなものかと疑問を持つ研究者も少なくないようである。気候変動の予測においても、今後、異圏での二酸化炭素や水や熱の相互の移動、界面での平衡などを考えた形で、再度精緻化を行うことが意義深いと考えられるようである。
自由短歌: 地球内束縛されつつ移動する炭素窒素の遠い旅路
令和3年5月16日
夢と希望(その2) 長引いている新型コロナウイルス禍を考えるとき、この伝染病は手ごわく、克服できるのだろうか、また、東京オリンピックも、無事開催されるかの懸念もある。このままだと、持続可能な開発目標(SDGs)や世界平和などの同時解決も、やはりかなり難しいものがあると思われる。もう一度、人類の英知を結集して、乗り越える必要があるようだ。だが、太古の昔より、動・植物は、かなり痛めつけられ、絶滅危惧にさらされながらもたくましく生き抜き、季節が廻る時、生き生きとした姿をみせてくれているのは、やはり、すばらしいことではないかと思う。再度、夢と希望が見えてくることを期待したいものである。
自由俳句: 闇に一筋光の見える夜道かな
令和3年5月11日
星と虹と(その2)
前にも述べたことがあるが、夜空にきらめく無数の星は、見上げるとき、その向こうの世界へ思いを巡らせ、悲しみをこらえ、新たな旅立ちを目指し、前向きな生き方を考えるきっかけともなるようだ。また、雨上がりの空にくっきりと映える七色の虹は、そのかなたのまだ見ぬ国や世界への想像力を養い、飛躍的な発想や創造力の源にもなるといわれる。星と虹は、風や月とともに、自然界での天文的・物理的現象であるが、知的好奇心の源となり、また、人に安らぎを与える源となって欲しいものである。
自由俳句: 群青の夜空を彩る無数の星
令和3年5月16日
激動の 2024 年も、まもなく、終わろうとしています。
自分のWEB上の建築環境材料研究所 2 のホームページを通じて、花鳥風月及び星・虹を愛でながら、言論の自由と情報発信と啓蒙による世界貢献
に努めるかたわら、“多頭流方式”での研究活動を続けることができました。
2月後半には、オンライン形式でしたが、マテリアルライフ学会の第 28 回春季研究会で、「ポリスチレンの光誘起型リサイクル法」というタイトルでの研究発表を終えることができました。耐候性評価のための機器分析など、他の研究者の興味深い研究発表にも触れ、PowerPointファイル共有上のいささかのトラブルに関わらず、無事に済んだのは、幸いだったと思います。
今年は、学会発表は、遠出は、避け、東京圏内に限定しましました。
5月中旬、早稲田大学の国際会議場で開催された日本材料科学会で、「コンクリート系複合材料における熱・水蒸気同時移動解析の試み」というタイトルでの研究発表を行いました。
また、赤坂コンフェレンスセンターAirで開催されたセメント技術大会で、「半球状コンクリートにおける逆ステップ応答解析」というタイトルでの研究発表を無事終えることができました。
7月のマテリアルライフ学会は、東京工業大学の多目的デジタルホールでの対面方式の開催でした。「ポリビニル系高分子材料の光劣化過程の可視化(その8)-機械学習によるポリスチレンの光酸化反応の有効反応速度定数の精密推定の試みと光誘起型促進リサイクル法への応用-」という内容で、無事研究発表を終えることができました。また、高分子材料の寿命等に関する多面的視点からの取り組みと最新の研究成果についての貴重な情報を得ることができました。
8月下旬、明治大学の駿河台キャンパスで開催された日本建築学会 2024 年年次大会では、懲りないようですが、「コンクリートの二酸化炭素による炭酸化の多方面からの進行予測と可視化」の一環として、「二酸化炭素の多方向拡散過程によるコンクリートの中性化進行過程の可視化(その12)-逆ステップ応答解析(その 2;混合セメントコンクリートの有効拡散係数の及ぼす影響)-」のタイトルで、無事対面方式での研究発表を終えることができました。また、若い研究者の、新しい息吹を感じる、興味深い研究発表にも触れることができました。
また、12月初旬、マテリアルライフ学会の第7回マイクロプラスチック・シンポジウムに、オンライン方式で参加しました。海洋・陸地・大気中で観測され、生態系に深刻な影響を与えるとされるマイクロプラスチックの動向とその有効な対応策の模索について知ることができました。
また、振り返りますと、昔国際会議等を通じて訪れた、世界各国(イギリス、フィンランド、スウェーデン、オーストラリア、カナダ、フランス、スペイン、ドイツ、アメリカ、シンガポール、中国、インドなど)の素晴らしい風景や美しい街並みや庭園の映像が、Facebook を通じて提供され、楽しむこともできました。また、Youtube を通じて、いろいろな音楽を楽しみました。世界各国の民謡、フランスおよび日本のシャンソン(パリの空の下で、夜明けの歌、愛の讃歌、枯れ葉など)、日本の懐かしの歌謡曲(青い山脈、時計台の鐘、ニコライの鐘、長崎の鐘、希望、ジュピター、北ウィング、北空港、北の旅人、熱い心に、鈴懸の径、二人の銀座、喝采、乾杯、いい日旅立ち、川は呼んでいる、川の流れのように、異邦人、銀色の道、サライなど)や日本の唱歌・童謡(からたちの花、冬の星座、富士山、アルプス一万尺など)、旧制高等学校寮歌(ああ玉杯に花受けて、散りにし花は幻か、紅もゆる丘の花、北の都に秋たけて、椿花咲く、都ぞ弥生の黒紫に、伊吹おろしなど)、東日本大地震からの復興支援ソング(スタンド・アロン、花は咲くなど)や、クラシック音楽(アラフェンス協奏曲、G線上のアリア、美しき青きドナウ、ドナウ川の漣、乙女の祈り、トルコ行進曲、田園、新世界「家路」など、世界のヒットメロディ(真珠取り、夜空のトランペット、コーヒールンバ、南国の夜、虹の彼方に、コンドルは飛んでゆくなど)を愉しむことができました。ピアノ、ギター、バイオリン、エレクトロン、ウクレレ、オカリナ、ハープ、ハーモニカ、アコーディオン、二胡、ケーナ、バイオリン、トランペット、フルートなど、多様な楽器による音楽も、楽しませて頂きました。Facebookのソーシャルネットワーク(SNS)で、いろいろな人、サークル、同好会、イベントとつながり、いろいろな情報授受・交換を持つことができました。ありがとうございました。
温冷繰り返しと乾湿繰り返し試験を受けているのかと思われた、12月初旬の温・湿度変動の12月初旬と打って変わり、またまた訪れた、日本海側を中心とする年末の大寒波と雪害が、未だに収まらないままに、今年も終わりを迎えようとしています。世界の戦乱・内乱や、天変地異の爪痕は、収まっていません。未解決なことが余りにも多いのは、気になるところです。ですが、花鳥風月および星・虹を愛でることで、いろいろな意味で癒やしになり、ほのぼのした気持ちにもなるようです。改めて、静かな良い年末と夢と希望と光の見える正月を迎えられることを期待したいものです。今年の皆様のご厚情に感謝したいと思います。
皆様、良いお年をお迎え下さい。
令和6年12月30日 乙戸南にて 福島敏夫
2025年1月2日(New)
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
新たな気持ちで、再出発を試み、いろいろなことに取り組みたいと思います。
2025年1月6日(New)
「建築物のライフサイクル・アセスメント(LCA)において、資材の調達、輸送、組み立て・建設・施工、供用、解体・廃棄、リサイクル・再利用,最終処分の全ライフステージで、環境負荷の過不足のない評価が必要である」と言うことが広く認識されるようになったという読売新聞のトップページの記事を、感慨深く考えています。
2025年1月11日(New)
この度、新春早々に日本各地で起こっている大寒波、暴風雪、大雪に見舞われた方々に、心からお見舞いを申し上げます。
2025年1月13日(New)
今年2月下旬にオンライン形式で開催される、マテリアルライフ学会2025年春季研究発表会で「ポリスチレンの光誘起リサイクル法(その2)」の研究発表の準備をしています。
2025年1月21日(New)
高分子学会編集の「高分子辞典」で執筆した原稿「土木・建築用構造材料」のPDFファイルを、リンク集の中で公開させて頂きました。
2025年2月6日(New)
「外断熱材料システムにおける水蒸気の非定常移動過程の数学的定式化とシミュレーションと可視化」のようなタイトルでの論文投稿の準備をしています.
◎日本環境協会のエコマークの断熱材や内装用建築製品およびケミカル・リサイクルのための化学プラントに関する認定基準に関する新しい動きについて
、リンク集の欄に、記載しました。
2025年2月8日(New)
◎◎産業環境管理協会とリンクを設定し、LCAフォーラムの動きを考え、混合セメントコンクリ-トの持続可能性の評価に役立てています。
2025年2月13日(New)
混合セメントコンクリートの91日圧縮強度とセメント/水比の関係式を調べています。
2025年2月16日(New)
主宰論説24 「元素・物質循環(その2)」等を、トップページに記載しました。
2025年2月22日(New)
404問題が生じ、解決を試みていますが、まだ時間がかかりそうです。それ故、このトップページに、直接記載することにします。
◎◎◎またぶり返し訪れている大寒波と暴風雪と大雪の雪害に被災されている皆様に、心からお見舞い申し上げます。
◎◎◎◎
昨日(2025年2月21日)マテリアルライフ学会2025年第29回春季研究発表会が、オンラインで開催されました。PowePonintファイル共有のトラブルもありましたが、事務局およびスタッフの皆様、司会の先生方のご協力を得て、
「ポリスチレンの光誘起リサイクル法(その2)光酸化反応と光解重合反応の同時進行の割合を考慮した総括複合変換効率ー」というタイトルでの研究発表を無事完了することが出来ました。
また、他の若手の研究者らによる最新の研究成果の動向につての有用な情報を得ることが出来ました。
また、
同春季発表会終了後、国立研究法人建築研究所令和6年度講演会にオンライン方式で参加し、田辺新一先生の特別講演「2040年に向けた住宅・建築・都市のカーボンニュートラル」等をを視聴し、有用な情報を得ることがが出来ました。
今後の研究を考える上で、有意義であったと思われました。
2025年2月28日(NEW)
最近、可視化の研究に利用している数学演算ソフトは、最新版にアップグレードして、精緻化と実効性向上に役立てています。
2025年3月3日(New)
桃の節句において
自由川柳
ドジ夫とドジ子めげずに歩んだ幾星霜
2025年3月5日(New)
「資源と環境の両視点からの混合セメントコンクリートの持続可能性評価」というタイトルでの研究発表の準備をしています。
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